今回の研究では、子どもを持つ親1374人(平均年齢34歳、男女比は半々)を対象に<子どもに発疹と発熱が3日間続いている>という内容の寸劇を見てもらった。
そして、親を3グループに分け、第1群には「子どもの症状は猩紅熱(しょうこうねつ)である」と示すように細工したインターネット検索の結果を見せた。
第2群には「川崎病である」と示す結果を見せ、第3群は何も情報を見せなかった。その後、全ての親に「医師の診断は猩紅熱であった」と伝えた。
すると、「猩紅熱の情報を見た人」では医師の診断を信じる可能性がアップ。一方で、「川崎病の情報を見た人」は診断に懐疑的になりやすいことが明らかになった。
また、「医師の診断を信頼する」と回答した人の割合は全体で81%だったが、「猩紅熱の情報を見た人」では91%に上昇。「川崎病の情報を見た人」では61%に過ぎなかった。
( 引用元:親が小児科医を信じるかは「グーグル先生」次第? いま問われる医療情報のリテラシー|健康・医療情報でQOLを高める~ヘルスプレス/HEALTH PRESS 2017.05.15 )
ここで指摘されているのは、「医師の診断よりも、インターネットでの検索結果から得られる情報を信用してしまう」という傾向です。わたしの実感としても、これはあるだろうなという感想です。
しかし、この傾向には問題があります。Googleのような検索エンジンは、信頼性の高い情報が検索結果の上にくるように日夜アルゴリズムが改善されていますが、昨年末に問題になった「welq, MERY, iemo」といったサービスのように、検索結果を上手く操作して信頼性の低い情報を上位に表示させるといったことが起こりえるからです。また、それ以前にそもそもインターネット上に信頼性の高い情報が少ない分野もあります。
わたしも含めてインターネット歴が長い方は、インターネットから得た情報を信じすぎて失敗した経験が1つや2つはあるでしょうから、あまり信じすぎてはいけないという姿勢を身に着けているのではないかと思います。インターネットに限った話しではありませんが、よほど信頼のある情報源からの情報でない限り、基本的にはどんな情報も「こんなことを言ってる人もいる」くらいで捉えたほうがよいと思います。