目次
1. オンラインマニュアル (manコマンド)と Infoマニュアル (infoコマンド)
Linux のコマンドの多くは、GNU プロジェクト が開発していますが、特に基本的なコマンドは、GNU Core Utilities というパッケージとして提供されています。
そして、GNUプロジェクトが提供している各種パッケージに関するドキュメントは、「Texinfo」というフォーマットで作成されており、Linux では info
コマンドで読むことができるようになっています。このドキュメントを、Infoマニュアル(ドキュメント)と呼び、これは オンラインマニュアル (man
コマンド) とは別物です。オンラインマニュアルには概要して載っておらず、Info マニュアルの方に詳細が載っているコマンドがたくさんあります。
例えば、以下のコマンドで ls
コマンドの オンラインマニュアル (manページ) を読んでみます。
$ man ls
すると、最後のあたりに以下のような記述があります。
ls
コマンドの詳細は、ここではなく「Infoマニュアル」に詳しく説明されていて、それを読むには、info ls
というコマンドを実行してくださいとあります。
実際にやってみます。以下のコマンドを実行します。
$ info ls
※ info
コマンドは大抵は最初からインストールされています。
Infoマニュアルは、ページが階層構造になっていたり、別ページへのリンクを貼ることができたりと、オンラインマニュアルに比べると高機能です。
2. Info マニュアルの基礎知識
Info マニュアルのデータ
Ubuntu 16.04.4 の環境の場合、Info マニュアルのデータは、/usr/share/info
以下に配置されていました。
Linux 上の Infoマニュアルとはここのデータ全体を指すようです。
引数なしで info
コマンドを実行すると、これらの各データへのリンクが貼られた「Infoメインメニュー」ページが表示されます。また、表示したいメニュー項目を引数として指定すれば、そのページを開くこともできます。
pinfo コマンド
Infoマニュアルは高機能であるがゆえに操作に慣れていないと使いづらいです(Emacs というエディタと似たような操作になっています)。色もついていません。
そこで、info
コマンドの代わりに pinfo
コマンドを使うと少し操作がラクになります。
pinfo というのは、Infoマニュアルをターミナル上で読むツールで、操作に使うキーが少し変えられていたり(vi エディタに近くなっている)、色が付いたりします。
Ubuntu で pinfo をインストールするには、以下のコマンドを実行します。
$ sudo apt install pinfo
では、まず 引数無しで pinfo コマンドを実行してみましょう。
$ pinfo
Infoメインメニューページが表示されます。
ここから、各メニューを辿っていろいろなページを見ることができます。
よく使うキーを表にしてみました。
キー | 説明 |
---|---|
j | 1行下にスクロールする |
k | 1行上にスクロールする |
n | 次のノード(ページ)へ移動 |
p | 前のノード(ページ)へ移動 |
u | 1つ上の階層のページに移動する |
Space | ページを下にスクロールさせる。ページ末尾まで到達したら次のノードへ移動する。 |
Enter | リンク上でEnterキーを押すと、そのページに移動する。 |
/ | 正規表現を入力し、そのページ上の文字列を検索する |
q | 閲覧を終了する |
次に、 ls
コマンドのマニュアルを見てみましょう。
$ pinfo ls
この場合、ダイレクトに ls
コマンドのページを表示することができます。
ウェブ版もあります
Infoマニュアルは、以下のURLから ウェブでも見ることができます。
※ 日本語版 もありますが、あまり翻訳されていません。
ls
コマンドなどのマニュアルは、「Coreutils」というリンク先にあります。
ほとんど英語ですが、日本語で読みたい場合は、Chromeブラウザなどに用意されている翻訳機能を使うとよいでしょう。画面上を右クリックして「日本語に翻訳」を選択するだけです。
3. おわりに
Linux で使うコマンドについて細かく調べようと思うと、こういった公式マニュアルを読むことが大切になってきます。こういう調べ方があるということだけ覚えておいて、必要になったら時にちゃんと調べてみるというやり方でもよいと思います。