目次
1. はじめに
Ubuntu 18.04 (WSL) に、Google Cloud SDK をインストールする手順を紹介します。
Google Cloud SDK は、Google Cloud Platform が提供する各種サービスを操作するためのコマンドライン インターフェースです。
2. 環境
- Ubuntu 18.04 (WSL)
3. インストール手順
ポイント
Google Cloud SDK のドキュメント には「Debian / Ubuntu」用の説明が載っているのですが、「Linux」用のインストールに従うことをお勧めします(前者の場合、使えない機能があります)。
実はこの「Debian / Ubuntu 用ではなく、Linux 用のインストール方法に従う」というのが本記事で一番書きたかったことで、あとは Linux 用のクイックスタート に載ってる手順に従うだけです。一応ざっと手順を追ってみます。
手順
(1) Python の導入
ドキュメントによると「Python 2.7.9 以降の Python 2」が必要とのことですが、Ubuntu 18.04 の場合、以下のコマンドで Python をインストールすれば問題ありません。
$ sudo apt install python
(2) Cloud SDK をダウンロード
Linux 用のクイックスタート にアクセスして、Cloud SDK をダウンロードします。
64 ビット用と 32 ビット用がありますが、通常は 64 ビット用でよいでしょう。リンクをクリックしてダウンロードします。
または、ターミナル上からコマンドでダウンロードすることもできます。
64ビット版なら以下のコマンドでダウンロードすることができます(バージョンは更新されていくので、元のサイトで最新のURLを確認してください)。
curl -O https://dl.google.com/dl/cloudsdk/channels/rapid/downloads/google-cloud-sdk-240.0.0-linux-x86_64.tar.gz
使ってるシステムが 64bit なのか 32bit なのか調べる
使ってるシステムが 64bit なのか 32bit なのか調べる場合は、PowerShell を起動して以下のコマンドを実行します。PS> $env:PROCESSOR_ARCHITECTURE
64bit の場合なら、AMD64 と表示されます。それ以外なら 32bit です。
※ これ以外にも、[設定] – [システム] – [バージョン情報] – [システム情報] – [システムの種類] を見るなど、調べる方法はたくさんあります。
(3) Cloud SDK を解凍して配置する
ここでは、64 ビット用の google-cloud-sdk-240.0.0-linux-x86_64.tar.gz
ファイルをダウンロードしたとします。
この圧縮ファイルをどこかに解凍するのですが、今回は Windows 側の C:\Users\{ユーザー名}
フォルダー直下に解凍します(ここが $HOME
になっている前提です)。 解凍操作は、Windows側で行っても良いですし WSL 側で行っても構いません。
WSL のターミナル上で行うなら、例えば以下のコマンドで解凍することができます。
$ tar zxvf google-cloud-sdk-240.0.0-linux-x86_64.tar.gz -C ~
解凍した結果、以下のフォルダーが生成されました。
(4) Google Cloud SDK ツールにパスを通す, etc.
解凍したフォルダーの中に入っている
ファイルを実行することにより、Google Cloud SDK のコマンドにパスを通します。サブコマンドの補完設定なども合わせて行われます。(これは必須ではないです)install.sh
以下のコマンドを実行します。
$ cd ~
$ ./google-cloud-sdk/install.sh
まず最初に、Google Cloud SDK をどのように使っているかのデータやクラッシュした際のデータなどを匿名で Google に提供するかどうか聞かれます。
次に、「環境変数 $PATH に Google Cloud SDK ツールのパスを追加する」のと「そのツールであるコマンドの補完を有効にする」ための設定を設定ファイル(デフォルトは ~/.bashrc
だが変更可)に追記するかどうか聞かれます。これは追記すればよいでしょう。すると指定した設定ファイルに設定が書き込まれます。
設定を反映させるために、ターミナルエミュレータを一旦閉じて開き直します。
~/.bashrc
に追記される内容
~/.bashrc
(変更可)に追記される内容は以下になります。
# The next line updates PATH for the Google Cloud SDK.
if [ -f '/mnt/c/Users/{ユーザー名}/google-cloud-sdk/path.bash.inc' ]; then . '/mnt/c/Users/{ユーザー名}/google-cloud-sdk/path.bash.inc'; fi
# The next line enables shell command completion for gcloud.
if [ -f '/mnt/c/Users/{ユーザー名}/google-cloud-sdk/completion.bash.inc' ]; then . '/mnt/c/Users/{ユーザー名}/google-cloud-sdk/completion.bash.inc'; fi
しかし、ホームディレクトリは $HOME
を使って書いた方がポータビリティが上がりますので、以下のように書き換えるとよいです。
# The next line updates PATH for the Google Cloud SDK.
if [ -f "$HOME/google-cloud-sdk/path.bash.inc" ]; then . "$HOME/google-cloud-sdk/path.bash.inc"; fi
# The next line enables shell command completion for gcloud.
if [ -f "$HOME/google-cloud-sdk/completion.bash.inc" ]; then . "$HOME/google-cloud-sdk/completion.bash.inc"; fi
(5) SDK の初期化
以下のコマンドを実行して、SDK を初期化します。
$ ~/google-cloud-sdk/bin/gcloud init --console-only
これにより行われるのは主に認証作業で、以下の操作を行います。
- URL が表示されるので、そこにブラウザでアクセスします。
- Google アカウントでログインします。
- 確認コードが表示されるのでコピーします。
- コンソール上に貼り付けます。
※ --console-only
オプションを指定しないと、認証作業をする際に WSL 側(Linux 上の)ブラウザを起動してログインさせようとします。
プロジェクトを作成するか聞かれますが、このタイミングで作成しなくて構いません。
(6) Google Cloud SDK コンポーネントの更新と追加
以下のコマンドを実行して Google Cloud SDK コンポーネントを更新しておきます。
$ gcloud components update
必要に応じて Google Cloud SDK コンポーネントをインストールします。
$ gcloud components install コンポーネント名