今年の10月12日、情報処理学会が、大学入学共通テストの「情報」を配点しない大学を批判していました。
令和7年度入学者選抜(令和6年度実施)において、大学入学共通テストで「情報」を必須として課すにも関わらず、配点しないと予告した国立大学があります。本会は、このような不適切な入試を看過できず、すべての受験科目に適切な配点が行なわれることを強く求めます。
引用元:大学入学共通テストで「情報」を必須としつつ配点しない入試に対する本会の見解-情報処理学会 (2022-10-12)
入試科目は点数化してその理解到達度を測定するために課すものであり、配点しない科目の受験を強いるのは、入試の実施根拠そのものを喪失することになります。加えて、高校教育の成果を測定することになる入試において配点しないというのは、高校教育におけるその科目の意義を否定することになります。
また、大学入学共通テストにおいて原則として「情報」を課すとした国立大学協会の基本方針を形骸化するものです。
以上の理由により、本会は、すべての受験科目に適切な配点が行なわれることを強く求めます。
(情報処理教育委員会、情報入試委員会、初等中等教育委員会)
しかし、1年前の記事にはなりますが、情報処理学会情報入試委員会委員長の方が、以下のようにおっしゃっています。
25年の大学入学共通テストで試験科目に「情報」が加わりますが、この試験の出来の1点、2点の差で合否が決まるというような、悪い意味での「公平」にとらわれてほしくありません。より高度な内容を問うことは大学の個別試験でできるわけですから、受験生の情報科の達成度合いを見る緩やかな指標として使ってくれればいいと思うんです。現実問題として、試験を行う以上は1点刻みで結果が出てきますが、その1点の上下だけで合否を決めない運用を大学側がすればいいだけの話です。共通テストをどう活用するか、方法は「1点刻みの選抜」以外にもあると思っています。入学後の数理データサイエンス教育にも、学生の理解度の把握や習熟度別のクラス編成などで活用できるのではないでしょうか。
引用元:「企業のDXを進めるにも『情報』の基礎知識が全員に必要」東京通信大・筧捷彦教授|2025大学入試どうなる|朝日新聞EduA (2021-12-10)
こちらはあくまで個人の意見ということでしょうか?
私の雑感ですが、入試に「情報」の知識を課すとしても、プログラミングまで含む必要はないと感じています。全員には必要ないからです。また、データ解析(?)的な問題は数学と少し被っているので、なくてもよいです。受験者の負担を増やしてまで、これらを課す必要があるとは思えません。
他のもっと大切な科目と「情報」を同等に扱うことに違和感があります。どうしても配点しなければいけないのなら、「情報」の得点だけ 1/2 とか 1/4 に圧縮して配点すればよいのではないでしょうか?