目次
1. はじめに
大学入学共通テストの英語音声問題を Anki のデッキにしてみました。
表面を表示すると音声が再生されます。
裏面には、音声の英文とその日本語訳が表示されます。
今回はやっていませんが、ここに発音記号を表示してもよいと思います。
2. この Anki デッキの作り方
今回の Anki デッキの作成手順について説明します。
(1) 音声ファイルと英文を入手する
まずは、令和4年度本試験の正解 にブラウザでアクセスし、英語のところにある「音声問題」のMP3ファイルと「スクリプト」のPDFファイルをダウンロードします。
それぞれのリンクを右クリックして [名前を付けてリンク先を保存…] を押せばダウンロードできます。
(2) 音声ファイルをかたまり毎に分割する
「スクリプト」リンクからダウンロードしたMP3ファイル (W set.mp3) は、すべての音声が1ファイルになっているので、これを分割します。
この分割には、「Audacity」というアプリケーションを利用しました。このアプリケーションのダウンロードは、本家サイトからでもよいですし、窓の杜 からでもよいでしょう。
インストールできたら Audacity を立ち上げ、先程の MP3 ファイルをそのウィンドウにドラッグ・アンド・ドロップします。
そして、Ctrl + A キーを押して音声全体を選択状態にした上で、[解析(A)] メニュー から [音声から自動ラベル付け(L)…] を選択します(音声が切れている部分で分割してくれる機能です)。
すると、[音声から自動ラベル付け(&L)] というタイトルのウィンドウが表示されるので、そのまま [OK(O] ボタンを押します。
次に、分割された音声をそれぞれ別ファイルとして保存するには、[ファイル] メニューから [書き出し(E)] – [複数ファイルの書き出し(M)…] を選択します。
[複数ファイルの書き出し] というタイトルのウィンドウが表示されるので、書き出し先のフォルダーを選択して、[書き出し] ボタンを押します。
今回の場合、390ファイルが書き出されました。
Anki に貼り付ける音声ファイルは、複数のデッキを横断して一意な名前で扱われるため、これらのファイル名は変更しておくとよいです。その場合は、Windows 10のエクスプローラーで「複数のファイル名を一括で変更」してもよいですし、専用のアプリケーションを使ってもよいでしょう(私は手動で変更しました)。
(3) Anki のデッキを作成する
Anki を立ち上げ、専用のデッキを新規作成しておきます。これは単にカードの入れ物を用意するだけの作業になります。
(4) Anki のノートタイプ(とそのフィールド)を作成する
Anki 上で 新規のノートタイプを作成し、以下のフィールドを追加・作成します。フィールド名は適当です。
(5) ノートを追加していく
先程作成したノートタイプを指定して、ノート(データ)を追加・入力していきます。
例えば、こんな感じです。
最初にダウンロードしたスクリプト(読み上げられる英文)を確認しながら、その英文を入力し、それに対応する音声ファイルを貼り付けていきます。日本語訳は Google 翻訳(DeepL翻訳 だったかも?)を使って生成しました。
一つのノートに、問題のどのかたまりを対応させるかはお好みでよいでしょう。たった1つの英文を、1つのノートにすることもありだと思います。
ここが一番大変な作業です。最終的に 158枚のカード(ノート)になりました。
(6) カードの見た目(テンプレート)を作成する
テンプレートを編集し、表面と裏面のデザインを作成します。ここでは、どのフィールドをどこに表示するかや、見た目(色、大きさなどの装飾)を HTML と CSS で整えます。
結果的には、本記事の最初に貼り付けた画像(表面、裏面)のようになりました。
表面で音声を聞き、裏面で英文と日本語訳を確認します。
だいたい以上の手順になります。
3. 使った感想
「1日につき新規カード3枚」の設定で、2週間くらいこのデッキを使っていますが、かなり有効なデッキになったのではないかと思っています。数年分の音声問題をこのような Anki デッキにして毎日取り組めば、リスニング力がかなり向上するのではないでしょうか。