1. はじめに
単位に関する接辞としてよく使われるものに、SI接頭辞があります。具体的には、キロ(103) やメガ(106) といった接頭辞で、kg(キログラム) や km(キロメートル) というように広く使われています。
コンピュータの世界でも SI接頭辞は使われますが、2進数がよく使われる分野であるため、2進接頭辞が使われることもあります。こちらは、キビ(210) やメビ(220) といったように、2の冪乗を利用します。
本ページは、頭の中で SI接頭辞と2進接頭辞とがあいまいになったときに、さっと見て違いを思い出すことを目的としています。
2. SI接頭辞と2進接頭辞の対応表
以下は、2進接頭辞 – Wikipedia に載っている表に少し手を加えたものです。
SI接頭辞 | 2進接頭辞 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
名前 | 記号 | 値 | 名前 | 記号 | 値 | ||
キロ (kilo) | k | 103 = |
1 000 |
キビ (kibi) | Ki | 210 = |
1 024 |
メガ (mega) | M | 106 = |
1 000 000 |
メビ (mebi) | Mi | 220 = |
1 048 576 |
ギガ (giga) | G | 109 = |
1 000 000 000 |
ギビ (gibi) | Gi | 230 = |
1 073 741 824 |
テラ (tera) | T | 1012 = |
1 000 000 000 000 |
テビ (tebi) | Ti | 240 = |
1 099 511 627 776 |
SI接頭辞の「キロ(k)」である 1000 に近い 210 = 1024 を「キビ(Ki)」とし、あとは 210 の 2乗を「メビ(Mi)」、3乗を「ギビ(Gi)」、4乗を「テビ(Ti)」としていきます。「キロ(k)とキビ(Ki)」「メガ(M)とメビ(Mi)」「ギガ(G)とギビ(Gi)」… は対応しているように見えますが、元が 1000 と 1024 であるため、桁が増えるに従って値のズレは大きくなります。
3. SI接頭辞が使われている例
ここで例を挙げるまでもなく、国際単位系 (SI) やそれ以外の単位でも通常は SI接頭辞が用いられます(冒頭で挙げたように、kg や km などです)。
参考
4. 2進接頭辞が使われている例
コンピュータの分野でデジタルなサイズ(データの量・処理の量・通信量など)を表す場合には、2進接頭辞が使われていることが多いです。単位として MB や GB と表示されていても、意味的には MiB や GiB であることもあります。
例えば、Windows でファイルやフォルダのプロパティを開くと「サイズ」と「ディスク上のサイズ」を確認することができますが、ここでは2進接頭辞が使われています。
「MB」と表示されているので紛らわしいですが、以下のように計算してみると 2進接頭辞が用いられていることが分かります。
76877824 / 1048576 = 73.31640625 → 73.3MB
参考