目次
1. Windows Terminal とは?
Windows Terminal は、コマンドプロンプト (cmd.exe) ・PowerShell・WSL を使う際のインタフェースとなるターミナルアプリケーションで、Microsoft が開発しています。
Windows 10 バージョン 1903 であれば、Microsoft Store からインストールすることができます。但し、2019年7月時点ではまだプレビュー版となっています。
下のスクリーンショットからも分かるように、タブを使って複数のターミナルを同時に開くことができるのが特徴の1つです。
使う手順も単純で、Windows Terminal を実行し、メニューに表示されるアプリケーションの中から使いたいものを選択するだけです。新しいタブでそのアプリケーションが開きます。
設定ファイル(後述)では、Windows Terminal を起動したときに開くデフォルトのアプリケーション(設定ファイル内ではプロファイルと呼ばれています)を指定することができるので、通常は Windows Terminal を起動するだけでよいでしょう。
2. 設定ファイルによるカスタマイズ
メニュー 内の [Settings] を選択すると、設定ファイルである profiles.json
ファイルが開きます。このとき、 拡張子 .json
に紐付けられたアプリケーションで開かれることに注意してください。このファイルは JSON という形式で記述された只のテキストファイルなので、どのアプリケーションで開くか聞かれた場合は、テキストエディタ(メモ帳でもよいです)を選んでおけば問題ありません。
ちなみにこの profiles.json
ファイルは、以下のパスに配置されていました。
主な設定項目
主な設定項目を表にしました。
設定項目 | 説明 |
---|---|
globals → defaultProfile | メインで使うプロファイルの guid 値をセットします。 |
profiles → 各プロファイル → startingDirectory | ターミナルが開いた時に移動する先のパスをセットします。 |
profiles → 各プロファイル → fontFace | フォント |
profiles → 各プロファイル → fontSize | フォントサイズ |
変更したい設定
カーソルの形を変更
デフォルトだとカーソルの形 (‘cursorShape
‘) が ‘bar
‘ になっていますが、これだと Vim での範囲選択の境界がずれてしまったので、’filledBox
‘ に変更します。
"cursorShape" : "filledBox",
Ctrl + t のキーバインディングを削除
私の場合、Ctrl + t のキーは tmux で使っていますので、Windows Terminal のデフォルトキーバインディングを削除します。
具体的には以下の記述を削除します。
{
"command" : "newTab",
"keys" :
[
"ctrl+t"
]
},
Ctrl + w のキーバインディングを削除
Ctrl + w のキーは Vim で使いますので、Windows Terminal のデフォルトキーバインディングを削除します。
具体的には以下の記述を削除します。
{
"command" : "closeTab",
"keys" :
[
"ctrl+w"
]
},
3. コピーとペースト操作の方法
操作 | やり方 |
---|---|
コピー | コピーしたい範囲を選択して、右クリックする。 |
ペースト | ペーストしたい位置で右クリックする。 |
問題点1
「コピー」の場合ですが、ターミナル上の複数行に対して「コピーしたい範囲を選択して、右クリックする」を行うと、改行コードがコピーされないようです。複数行がつながって1行になった文字列がクリップボードにコピーされます。
この動作はどうもバグのようです。とりあえずの対処法は、settings.json
に以下の設定を記述しておくことです。
"copyOnSelect": true,
この設定を記述すると、ターミナル上の文字列を選択しただけでクリップボードにコピーされます。この際、改行コードもちゃんと含まれます。
※ 動作確認バージョン:1.3.2651.0
4. 気になる点
いくつか気になる点がありました。
日本語を入力すると、別ウィンドウで変換処理が実行されます。- 2020年3月に確認したところ、この動作は発生しなくなっていました。
- アルファベット用のフォントとは別に、日本語のフォントを設定することができないようです。
- 設定項目
fontSize
でフォントサイズを設定することができるのですが、あまり細かい調整はできないようでした(例えば、10.5 といった小数での指定が効きません)。 - Ctrl + r キーで Bash の履歴候補を表示したときに、表示された履歴候補が画面上に残ったままになることがありました。
5. まとめ
現時点 (2019年7月) でWindows Terminal はプレビュー版なので仕方ないのですが、「3. 気になる点」で挙げた「フォントサイズの微調整ができない」「日本語用のフォントを追加設定できない」という問題が自分にとっては大きかったです。細かい設定を行いたいのであれば、Cmder を使うべきでしょう。今後、Windows Terminal が正式版になる過程で、これらの問題が改善されることを期待しています。
追記(2020年6月)
久しぶりに使ってみたところ、多言語対応されていたようで、かなり使いやすくなっていました。しばらくメインで使ってみようと思います。